家具屋が教える!知って得するマットレスの上手な選び方

知って得するマットレスの種類・特徴についてご紹介いたします。

◆マットレスの種類と特徴

●ボンネルコイルマットレス

ボンネルコイルマットレスとは、連結したコイルスプリングでマット全面を構成していて、程よい硬さで「体を面で支える」というのが最大の特徴です。

寝心地はとても弾力があり、体がマットレスに沈むこともないので「硬めのマットレスが良い」という方に向いていると言えるでしょう。

また、比較的安価なのも特徴で、「安く買いたい」という方にも向いているでしょう。

●ポケットコイルマットレス

mattresschoice-2

ポケットコイルマットレスは、袋に入ったコイルスプリングでマット全面を構成していて、ボンネルコイルとは違い、イルは連結せずにすべて独立しています。

それぞれが独立したコイルスプリングは体の動きに合わせてバラバラに動くため、つねに体にフィットする寝心地で「体を点で支える」というのがポケットコイルマットレスの最大の特徴です。

また、コイルの数もボンネルコイルマットレスと比べてかなり多いので、体圧が上手に分散されて無理のない寝姿勢を維持することができます。

ちなみにポケットコイルマットレスには「並行配列」と「交互配列」と呼ばれるものがあります。

これはマットレスの中にあるコイルスプリングの配列の仕方を変えることで、より多くのコイルを使えるようにしたもので、主に交互配列のほうがコイル数が多いのが特徴です。

コイル数が多いと言うことは、それだけ「体を支えてくれる点」の部分が多いということになり、結果的により快適な寝心地が得られるでしょう。

他にも「5ゾーン」といった少し変わったポケットコイルマットレスもあります。

5ゾーンは体圧が掛かりやすい部分のコイルスプリングは「硬め」を使い、そうでない部分は柔らかめのコイルスプリングを使ったタイプのマットレスになります。

そうすることで、より効果的に体圧を分散することができます。

ポケットコイルマットレスはスプリング入りマットレスの中では、とても理想な寝心地を実現できるマットレスということがいえるでしょう。

中にはポケットコイルスプリングの上に低反発マットレスなど、メーカー独自のマットレスと組み合わせたものもあり、日々ポケットコイルマットレスは進化しています。

●低反発マットレス

低反発マットレスはNASAが宇宙飛行士の体への負担を軽減するために開発した素材で、体圧分散に非常に優れたマットレスです。

仰向けや横向きなど、どんな寝姿勢をとっても体圧がかかりやすい部分(とくに肩や腰)は沈み込むことで体への負担を分散するので、誰でも心地よく眠りにつくことができるという特徴があります。

また、体圧以外に体温でも反発力が変わってくるので、いつもあなたの状態にピッタリ合わせた反発力で快眠をサポートしてくれます。

この独特の寝心地は低反発でしか味わえないものであり、体が沈みこむ感じが心地良かったりもするため、低反発マットレスをリピートする方も少なくありません。

柔らかめの寝心地を求める方には、非常におすすめできるマットレスと言えるでしょう。

ですが、耐久性といった面では、正直まだまだコイルスプリングを使ったマットレスには及ばないものが多いのも事実です。(もちろんすべての低反発マットレスに当てはまるわけではありません。)

また、コイルスプリングマットレスと比べて、どうしても通気性が悪くなってしまうといったデメリットもありますが、マットレスの上に敷きパッドを敷けば寝苦しさは解消できるので、あまり気にしなくてもいいでしょう。

●高反発マットレス

高反発マットレスは低反発マットレスと同じように「体圧分散性と体へのフィット感」が非常に優れているという特徴を持っています。

さらに低反発にはない「通気性の良さ」があるため、季節を問わず快適で、カビなどの心配も軽減されます。(コイルスプリングマットレスのほうが通気性は高いです。)

また、低反発マットレスと違って、耐久性が高いものが多いため、コスパの面でも優秀だと言えるでしょう。

高反発マットレスは上から手で押してみると「低反発?」というぐらい沈み込んだりもするのですが、実際に上に寝転がってみると上手に体圧を分散するため、ほとんど体が沈みこむことがありません。

この上手な体圧分散こそ高反発マットレス最大の特徴と言えます。

コイルスプリングマットレスや低反発マットレスにはない弾力性と復元力があるため、体圧分散という点では一番優れたマットレスということが言えるでしょう。

さらに高反発マットレスは低反発マットレスのように、温度で反発力が変化することが少ないのも特徴です。

そのため、つねに一定の寝心地でいつでも最高の体圧分散で快適な睡眠を送ることができます。

これは高反発マットレスの通気性の良さにも通ずるもので、温度変化に強いだけでなく、通気性にも優れているため、梅雨や夏など比較的寝苦しい季節も快適な睡眠をとることができるでしょう。

こうしてみると高反発マットレスはいいとこだらけのように見えますが、じつは他にも魅力的な部分があります。
それが「耐久性」です。

どの高反発マットレスにも当てはまるわけではないのですが、比較的にどのメーカーのものでも耐久性は高いものが多いといった特徴があります。

それと同時に長期保証が付いているものも多いので、一度購入すると安心して長く愛用することができるでしょう。

デメリットを挙げるなら「比較的高額」ということが挙げられます。

ですが、高い耐久性を持っていることからコスパの面では十分すぎるほど優秀と言えるでしょう。

また、高額だからこそ品質が高く、長期保証が付いているものが多いとも言えると思います。


◆コイルスプリングマットレスを硬さで選ぶときの目安

mattresschoice-3

マットレスの硬さの目安をご存知ですか?

ボンネルコイル・ポケットコイルなどのコイルスプリングマットレスはどれも硬さ別で分かれています。(すべてのマットレスに当てはまるわけではありません。)

そのため「自分がどの硬さのマットレスを選べばいいのかわからない」という方は、これから紹介するマットレスの硬さの目安を参考にしてみてください。

●柔らかめのマットレス

柔らかめのマットレスを選ぶ場合、当店では小学生ぐらいまでのお子さんや小柄な女性の方におすすめしています。
体重で言うと50kg以下の方なら柔らかめのマットレスがいいでしょう。

なぜ、体重が50kgまでの方が柔らかめのマットレスがいいのかというと、「これ以上体重が重い方だと理想的な寝姿勢を作れないから」というお答えになります。

もちろん好みの部分もあるので、「柔らかめの寝心地が好き」という方は遠慮なく柔らかめのマットレスをお選びいただいても大丈夫です。

ですが、「理想的な寝姿勢」という観点から見るとあまりにマットレスに体が沈みすぎると、上手く体圧が分散されずに首や腰など体への負担が増えてしまいます。

そのため、体重50kg以下のお子さんや小柄な女性なら綺麗に体圧が分散され、理想的な寝姿勢を保った睡眠をとることができるでしょう。

●普通の硬さのマットレス

普通の硬さのマットレスを選ぶ場合は、体重50kg以上75kg以下の大人の男性、女性の両方におすすめしています。

普通の硬さというだけあって、寝転んだときの体の沈み具合も程よい感じで、どなたでも快適な眠りにつくことができるでしょう。

●硬めのマットレス

mattresschoice-4

硬めのマットレスは体重75kg以上の大柄な方におすすめしています。
硬めの寝心地のため、体がマットレスに沈みすぎるとこともなく、しっかり体を支えてくれます。

また、体が沈みすぎないため、寝返りなども打ちやすく、快適な睡眠をとることができるでしょう。

低反発・高反発マットレスがオススメな方

低反発・高反発マットレスは、コイルスプリングマットレスと違って、体型などに寝心地が左右されることがありません。

そのため、どんな方でも一定の寝心地を味わうことができ、「柔らかいのが好き」か「硬いのが好き」かという好みで選べば問題ないでしょう。

・低反発マットレスは柔らかめの寝心地がお好みの方におすすめ
・高反発マットレスは硬めの寝心地がお好みの方におすすめ

どちらのマットレスも体のラインに沿って沈みこむので、体圧を均一に吸収・分散してくれます。

しいて言うなら高反発は、そこにしっかりとした支えがプラスされるため、腰痛などでお悩みの方は高反発マットレスを選ぶといいでしょう。


マットレスのお手入れ

mattresschoice-5快適な睡眠をとるためにマットレスのお手入れは欠かせません。

日頃から簡単なお手入れをしてあげるだけで、ダニやカビ対策もできるのでぜひ参考にしてみてください。

マットレスのローテーション

マットレスの簡単なお手入れの方法のひとつに「マットレスの表裏、上下をひっくり返すローテーション」があります。

大体、3ヶ月に1回このローテーションをしてあげるだけで、ダニやカビの発生を効果的に抑えることができるようになります。

また、マットレスは肩や腰など体圧が掛かる部分がヘタリやすいという特徴がありますが、ローテーションをすることでマットレスが均等にヘタる様になり、耐久性の面でも長く使うことができるようになるのでオススメです。

マットレスの湿気対策

マットレスは寝ている間の汗などを吸うことでとても湿気が溜まっています。

湿気が溜まったのをそのままにしているとダニやカビが発生してしまうので注意が必要です。

では、どういったことをすればマットレスの湿気対策になるのでしょうか?

1週間に1回程度マットレスを壁などに立てかけてあげると空気が良く通って中の湿気が抜けやすくなります。

マットレスを立てかけるのが難しい場合は、マットレスとベッドの間に雑誌などを重ねて隙間を作るようにします。

そうすることで湿気が溜まりやすいマットレスとベッドの間も空気が良く通るようになるので、結果的に湿気が抜けていきます。

ちなみにこの時、扇風機やエアコンの風を送ってあげるとより効果的に湿気を抜くことができるのでぜひ試してみてください。

掃除機を使う

掃除機を使ってマットレスのお掃除をしてあげることも大切です。

最近では布団専用の掃除機もありますが、普通の掃除機でも使える布団用のノズルもあるのでそれで十分です。

掃除機は1週間に1回程度かけてあげましょう。

そうすることでマットレスの中のダニの死骸やフンなどを除去することができます。

たったこれだけのことでマットレスを清潔に保てるようになるので、気になる方は早速今日から試してみてください。

シーツやベッドパッドの洗濯頻度

マットレスのお手入れと同時にシーツやベッドパッドも洗濯しましょう。

気になる洗濯頻度ですが、基本的には1週間に1回程度が良いでしょう。

この1週間に1回の洗濯を基準に、寒くて空気が乾燥している冬は1ヶ月に1回程度の洗濯。

夏や梅雨などの暑くて湿気がこもりやすい時期は3日に1回程度など、自分が不快に感じない頻度で行いましょう。

子供やペットがおしっこしたりして汚れてしまった場合は、拭き取ったりなどの応急処置ではなく、面倒でもその都度洗濯するようにしましょう。


マットレスの寿命(耐用年数)について

mattresschoice-6マットレスは平均して何年ぐらい持つものなのでしょうか?

気になる方も多いと思うのでお答えすると「メーカーやマットレスの種類によって違う」という言い方になってしまいます。

また、使う方の使用環境にもよるので一概に何年とは言えませんが、「平均して3年?10年」と寿命に関してはかなり違いが出てきます。

長いものだと10ー15年保証がついたマットレスもありますが、安いものだと3年以内に寿命を迎えるものもあるので様々です。

以下にマットレスの寿命(耐用年数)の目安をまとめてみたので、ぜひ参考にしてみてください。

柔らかくなった

どんなマットレスも使い始めの頃はしっかり体を支えてくれますが、年数が経つにつれて柔らかくなってきます。

マットレスの上に寝転がったときに明らかに柔らかいと感じる場合は、十分交換時期だと言えるでしょう。

ギシギシと音がする

これはスプリングを使ったマットレスにある症状ですが、ベッドに寝転がったときや寝返りを打ったときに「ギシギシ」と音がするようなら交換時期です。

このギシギシ音は中のスプリングが劣化することで起こるので、今使っているマットレスからギシギシ音がする場合は交換をオススメします。

スプリングが体に当たる

ベッドに寝転がったとき、体に中のスプリングが当たる場合も寿命です。

マットレスがこんな状態だと痛くて寝辛いと思うので、我慢せずスグに交換しましょう。

表面の生地が破れている

マットレスの生地が破れているとスプリングが飛び出してくる可能性があり、危険です。

こうした状態にあると快適な睡眠を妨げるだけでなく、怪我をしてしまう恐れがあるのでスグにも交換しましょう。